🌺 多年草・宿根草の育て方ガイド|植えっぱなしで毎年咲く花

宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期

公開日: 2026年2月8日最終確認日: 2026年2月21日6960文字著者: 花の日記 編集部
宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期

宿根草の株分けを成功させる方法を徹底解説。春と秋の適切な時期、5つのタイプ別の分け方、初心者でも失敗しない7ステップの手順、植え付け後の管理まで詳しくご紹介します。株分けで植物を若返らせ、簡単に増やしましょう。

宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期

宿根草(多年草)は、一度植えれば毎年美しい花を咲かせてくれる魅力的な植物です。しかし、2〜3年も経つと株が大きくなりすぎて、花つきが悪くなったり、株の中心部が枯れたりすることがあります。そんな時に必要なのが「株分け」です。株分けは、植物を若返らせるだけでなく、増やすこともできる一石二鳥の作業です。

本記事では、宿根草の株分けの適切な時期、方法、そして成功させるためのポイントを詳しく解説します。初心者の方でも安心して挑戦できるよう、具体的な手順を画像とともにご紹介します。

多年草・宿根草の育て方については、こちらの完全ガイドも併せてご覧ください。

宿根草の株分けとは?なぜ必要なのか

株分けとは、大きくなりすぎた株を複数に分けて、それぞれを独立した株として育てる作業です。宿根草は地下で根や茎を広げながら成長するため、植えっぱなしにしていると次第に混み合ってきます。

株分けが必要な理由

植え付けて2〜3年経つと、子株が増えて混み合い始めます。その結果、以下のような問題が起こります:

  • 花つきが悪くなる:栄養や水分が株全体に行き渡らず、花が小さくなったり数が減ったりします
  • 病害虫の発生:風通しが悪くなり、カビや害虫が発生しやすくなります
  • 株の中心部が枯れる:古い部分から衰弱し、見た目が悪くなります
  • 成長が鈍化する:根詰まりを起こし、新しい芽が出にくくなります

株分けを行うことで、植物は若返り、再び旺盛に成長し始めます。また、分けた株を別の場所に植えることで、簡単に株を増やすことができます。欧米の園芸研究によると、多年草の株分けは3〜5年ごとが推奨されています。品種によっては毎年行うものから、5年に一度で十分なものまで様々です。

株分けの適切な時期|春と秋がベストタイミング

株分けを成功させる最大のポイントは、適切な時期に行うことです。宿根草の株分けには、春と秋の2つのベストシーズンがあります。

株分けの適切な時期|春と秋がベストタイミング - illustration for 宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期
株分けの適切な時期|春と秋がベストタイミング - illustration for 宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期

春の株分け(3月〜4月)

春は新芽が動き出す前、つまり植物が本格的に成長を始める直前が理想的です。気温が上がり始め、土壌が温まってくる3月頃が最適です。この時期に株分けを行うと、植物は新しい根を活発に伸ばし、春から夏にかけてしっかりと定着します。

春に株分けすべき宿根草の例

  • クリスマスローズ
  • ギボウシ(ホスタ)
  • シュウメイギク
  • 秋咲きの宿根フロックス
  • アスター(秋咲き品種)

秋の株分け(9月〜10月)

秋は気温が下がり始め、植物の地上部の成長が緩やかになる時期です。まだ土壌が温かく、根の成長には適した環境です。10月頃までに株分けを終えれば、冬までに根がしっかりと張り、翌春に元気な株に育ちます。

秋に株分けすべき宿根草の例

  • スズラン
  • アヤメ・アイリス
  • シャクヤク
  • ボタン
  • 春咲きの宿根草全般

開花時期で判断する株分けのタイミング

基本的なルールとして、春咲き・夏咲きの宿根草は秋に株分け、秋咲きの宿根草は春に株分けすると覚えておきましょう。専門家によると、植物が開花していない時期に株分けを行うことで、植物にかかるストレスを最小限に抑えられます。

宿根草の種類

株分けの適期

理由

春咲き(チューリップ、スイセンなど)

秋(9月〜10月)

花後の栄養蓄積期間を確保

夏咲き(デイリリー、エキナセアなど)

秋(9月〜10月)

冬前に根を張らせる

秋咲き(アスター、シュウメイギクなど)

春(3月〜4月)

開花前に根を充実させる

常緑多年草

春(3月〜5月)

成長期に入る前が安全

宿根草の株分け方法|5つのタイプ別解説

宿根草の株分け方法は、植物の増え方によって大きく5つのタイプに分類されます。それぞれの特徴と適切な分け方を理解すれば、失敗なく株分けができます。

宿根草の株分け方法|5つのタイプ別解説 - illustration for 宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期
宿根草の株分け方法|5つのタイプ別解説 - illustration for 宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期

1. 株立ち状になるタイプ

代表的な植物:クリスマスローズ、ギボウシ、ヘメロカリス、アスチルベ

このタイプは、株元から複数の芽や茎が束になって立ち上がります。根は比較的まとまっており、手で分けやすいのが特徴です。

分け方

  1. 株の周囲をスコップで大きく掘り上げる
  2. 根の土を軽く払い、株の分かれ目を確認する
  3. 手で優しく引き離すか、ナイフで切り分ける
  4. 各株に3〜5芽が含まれるように分ける

2. ランナー(走出枝)で増えるタイプ

代表的な植物:イチゴ、アジュガ、ワイルドストロベリー

地上を這うように茎(ランナー)を伸ばし、その先に子株を作ります。親株と子株がランナーでつながっているため、簡単に分けられます。

分け方

  1. ランナーの先にできた子株を確認する
  2. 子株に根が出ていることを確認する
  3. ランナーをハサミで切断する
  4. 子株を新しい場所に植え付ける

3. 地表面をほふく茎で増えるタイプ

代表的な植物:芝桜、タイム、セダム類

地面を這うように茎を伸ばし、節から根を下ろしながら広がります。株全体が絨毯のように広がるため、好きな大きさに切り分けられます。

分け方

  1. 広がった株の一部をスコップで切り取る
  2. 根がしっかり付いている部分を選ぶ
  3. 10〜15cm角程度の大きさに分ける
  4. 新しい場所にそのまま植え付ける

4. 地下茎を伸ばして増えるタイプ

代表的な植物:スズラン、ミント類、ドクダミ、竹類

地中で横に茎を伸ばし、そこから新しい芽を出します。繁殖力が旺盛で、放っておくとどんどん広がります。

分け方

  1. 株の周囲を広めに掘り上げる(地下茎が長く伸びているため)
  2. 地下茎をたどって、新しい芽が出ている部分を探す
  3. 地下茎を10〜15cmの長さで切断する
  4. 各部に芽が1〜2個含まれるようにする

5. 根茎で増えるタイプ

代表的な植物:アヤメ、カンナ、ショウガ

太く肥大した地下茎(根茎)から、芽や根を出します。根茎は硬く、ナイフなどで切断する必要があります。

分け方

  1. 株を掘り上げ、土を洗い流す
  2. 根茎の形状を確認し、芽が付いている部分を探す
  3. よく切れるナイフで根茎を切断する(1株に2〜3芽を残す)
  4. 切り口を数時間乾かしてから植え付ける

園芸の基礎知識について詳しく知りたい方は、こちらのガイドをご覧ください。

株分けの手順|初心者でも失敗しない7ステップ

それでは、実際の株分けの手順を、初心者の方でもわかりやすいように7つのステップで解説します。

株分けの手順|初心者でも失敗しない7ステップ - illustration for 宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期
株分けの手順|初心者でも失敗しない7ステップ - illustration for 宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期

ステップ1:事前準備

必要な道具

作業の前日

株分けする植物に、たっぷりと水を与えておきます。土が適度に湿っていると、根を傷めずに掘り上げやすくなります。

ステップ2:株を掘り上げる

株の根を傷めないよう、株の周囲30〜40cm離れた位置にスコップを入れます。株の大きさに応じて、さらに広めに掘るようにしましょう。四方からスコップを入れたら、テコの原理で株を持ち上げます。

ポイント:根が深く張っている植物の場合は、スコップを斜めに入れて、根の下を通すように掘ります。

ステップ3:土を落とし、根をほぐす

掘り上げた株を地面に置き、手で根の周りの土を優しく払い落とします。すべての土を落とす必要はありませんが、根の様子がわかる程度まで土を落とすと、分ける場所が判断しやすくなります。

根が固まっている場合は、水で洗い流すのも有効です。ただし、細かい根が多い植物は、できるだけ根を乾燥させないよう注意してください。

ステップ4:株を分ける

根のもつれ具合や株の大きさに応じて、適切な方法で分けます:

手で分ける場合

株の生え際あたりで、自然に分かれる場所を探します。両手で株を持ち、ゆっくりと左右に引っ張ります。無理に引っ張らず、根をほぐすようなイメージで行いましょう。

ハサミやナイフで切る場合

根が太くてほぐれない場合や、根茎タイプの植物は、清潔なハサミやナイフで切断します。切れ味の良い道具を使うことで、切り口がきれいになり、病気のリスクも減ります。

分ける大きさの目安

  • 一般的な宿根草:1株に3〜5芽が含まれるように分ける
  • 成長の遅い植物:やや大きめに分ける
  • 繁殖力旺盛な植物:小さめでもOK

ステップ5:古い根や傷んだ部分を取り除く

株分けは、株を若返らせる良い機会です。古くなった根(黒ずんだり、柔らかくなっている根)や、傷んだ茎、枯れた葉などは、剪定バサミで切り取りましょう。健康な根だけを残すことで、新しい環境での活着が良くなります。

ステップ6:植え付ける

植え穴の準備

新しく植える場所には、株よりも一回り大きな穴を掘ります。掘り上げた土に、堆肥や腐葉土を3割程度混ぜ込みます。酸性土壌を好まない植物の場合は、苦土石灰も少量加えて中和しましょう。

植え付けの手順

  1. 植え穴の底に、改良した土を少し戻す
  2. 株を穴に入れ、根を広げるように配置する
  3. 根と根の間に土を入れ込むようにして、隙間なく埋める
  4. 株元を軽く押さえて安定させる
  5. 植え付け前と同じ深さに植えることが重要(深植えは避ける)

株間の目安

植え付け後の成長を考えて、株と株の間は20〜30cm空けておくと、のびのびと育ちます。

ステップ7:水やりと管理

植え付け直後は、たっぷりと水を与えます。土と根の間の空気を抜き、根と土を密着させるためです。水は株元にゆっくりと注ぎ、土が沈んだら追加の土を足します。

植え付け後の管理

  • 最初の1〜2週間は、土が乾いたら水をやる
  • 真夏の株分けは避けるべきですが、やむを得ない場合は日陰で管理
  • 肥料は1ヶ月後から、緩効性肥料を少量与える
  • 新しい芽が出てきたら、株分け成功のサイン

株分け成功のポイントと注意点

成功のための重要ポイント

  1. 適期を守る:植物ごとの適期を守ることが最も重要です
  2. 根を乾燥させない:掘り上げから植え付けまでの時間を短くし、根が乾かないようにします
  3. 清潔な道具を使う:病気の感染を防ぐため、切断に使う道具は消毒しておきましょう
  4. 分けすぎない:小さく分けすぎると、回復に時間がかかります。適度な大きさを保ちましょう
  5. 水やりを徹底する:根付くまでの水管理が成功のカギです
株分け成功のポイントと注意点 - illustration for 宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期
株分け成功のポイントと注意点 - illustration for 宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期

よくある失敗と対策

失敗例1:株分け後に枯れてしまった

  • 原因:時期が悪い、根を傷めすぎた、水不足
  • 対策:適期に行い、丁寧に扱い、植え付け後はこまめに水やり

失敗例2:翌年花が咲かなかった

  • 原因:株が小さすぎた、栄養不足
  • 対策:ある程度の大きさを保って分け、花芽形成期に適切に施肥

失敗例3:根がうまくほぐれない

  • 原因:根が固くもつれている、土が硬い
  • 対策:前日に水をやっておく、水で洗いながらほぐす

避けるべき時期と条件

  • 真夏の暑い時期:植物が弱り、根付きにくい
  • 真冬の寒い時期:根の成長が止まり、凍害のリスクがある
  • 開花中:植物にストレスがかかり、花も楽しめなくなる
  • 乾燥した天候が続く時期:植え付け後の水管理が難しい

株分け後の管理とケア

株分け後は、植物が新しい環境に順応するまでの期間が重要です。適切なケアで、株を早く元気にしましょう。

株分け後の管理とケア - illustration for 宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期
株分け後の管理とケア - illustration for 宿根草の株分け方法|増やし方と適切な時期

水やりの頻度とタイミング

植え付け直後

土が十分に湿るまで、たっぷりと水を与えます。水が引いて土が沈んだら、さらに土を足して安定させます。

最初の2週間

土の表面が乾いたら水やりをします。根が張るまでは、土を常に適度に湿らせておくことが重要です。特に晴天が続く場合は、毎日の水やりが必要な場合もあります。

3週間目以降

新しい芽が出始めたら、徐々に通常の水やりペースに戻します。過湿にならないよう、土の状態を確認しながら調整しましょう。

肥料の与え方

株分け直後は、肥料を与えません。根が傷ついている状態で肥料を与えると、根が傷む「肥料焼け」を起こす可能性があります。

肥料開始のタイミング

  • 植え付けから1ヶ月後、または新芽が伸び始めてから
  • 緩効性の固形肥料を株元に少量置く
  • または、液肥を規定の倍率よりも薄めて与える

施肥の頻度

  • 春の成長期:月1回程度
  • 開花前:リン酸多めの肥料で花芽を充実させる
  • 花後:お礼肥として緩効性肥料を与える

花の病害虫対策については、こちらの記事で詳しく解説しています。

日当たりと置き場所

株分け直後の植物は、強い日差しに敏感です。特に真夏に近い時期に株分けした場合は、一時的に半日陰で管理するのが安全です。

理想的な環境

  • 明るい日陰〜半日陰(最初の1週間)
  • その後、植物本来の好む環境に徐々に移動
  • 風通しの良い場所(蒸れを防ぐ)

まとめ|宿根草の株分けで庭をもっと豊かに

宿根草の株分けは、植物を若返らせ、増やすことができる一石二鳥の作業です。適切な時期と方法で行えば、初心者の方でも十分成功できます。

株分けの重要ポイントをおさらい

  • 時期:春(3月〜4月)または秋(9月〜10月)。開花時期の反対に行う
  • 方法:植物のタイプに応じて、手で分けるか、道具で切る
  • 大きさ:1株に3〜5芽を残すように分ける
  • 植え付け:根を広げて植え、たっぷり水やり
  • 管理:根付くまでの2週間は水やりをこまめに

株分けは、2〜3年に一度の定期的なメンテナンスとして行うのが理想的です。植物が元気に育ち、毎年たくさんの花を咲かせてくれれば、ガーデニングの喜びも倍増します。

あなたの庭の宿根草も、適切な株分けでさらに美しく、豊かに育てましょう。株分けした植物を友人や家族と分け合えば、ガーデニングの楽しみも広がります。

春の花秋の花の育て方も学んで、一年中美しい花壇を楽しみましょう。

花の日記 編集部|AIテクノロジーと園芸の知見を組み合わせて、正確で実用的なガーデニング情報をお届けしています。

関連記事

ドライガーデン向き宿根草|乾燥に強い品種選び

ドライガーデン向き宿根草|乾燥に強い品種選び

水やりの手間を50-70%削減できるドライガーデン向き宿根草を徹底解説。エキナセア、ラベンダー、セダムなど乾燥に強い15品種の特徴と育て方、日本の高湿度環境での排水改善のポイント、季節ごとの管理方法まで詳しく紹介します。

宿根草の病害虫対策|予防と早期発見のポイント

宿根草の病害虫対策|予防と早期発見のポイント

宿根草の病害虫対策を完全解説。うどんこ病・灰色かび病などの予防法、アブラムシ・ハダニの早期発見と駆除方法、IPM実践のポイントまで。日当たりと風通し確保、耐病性品種の選択で健全な宿根草を育てる秘訣を紹介します。

アスチルベの育て方|半日陰で咲く華やかな宿根草

アスチルベの育て方|半日陰で咲く華やかな宿根草

アスチルベは半日陰で美しく咲く宿根草です。日本の気候に適し、梅雨にも強い育てやすい植物として人気があります。本記事では、植え付けの時期や方法、日常の水やり、肥料の与え方、株分けなど、初心者にもわかりやすく詳しく解説します。シェードガーデンに最適な植物をお探しの方におすすめです。

ペレニアルガーデンの作り方|四季咲きの庭設計

ペレニアルガーデンの作り方|四季咲きの庭設計

ペレニアルガーデン(宿根草の庭)の作り方を徹底解説。四季を通じて花が咲き続ける庭の設計方法、季節別植栽計画、レイアウトの原則、植え付けと管理のポイントまで、初心者でも実践できる具体的なテクニックを紹介します。

宿根草の肥料管理|健康に育てる施肥のコツ

宿根草の肥料管理|健康に育てる施肥のコツ

宿根草の適切な肥料管理方法を解説。元肥・追肥・お礼肥の使い分けから、季節別の施肥タイミング、過剰施肥の危険性まで詳しく紹介。地植え・鉢植えの違いや品種別の特性に合わせた施肥方法で、毎年美しい花を楽しむコツが分かります。

ゲラニウムの育て方|丈夫で美しい宿根草

ゲラニウムの育て方|丈夫で美しい宿根草

ゲラニウム(フウロソウ)の育て方を詳しく解説。植え付け時期、日当たり、水やり、肥料、剪定方法から、おすすめ品種(ロザンネ、サンギネウム)、病害虫対策まで、初心者でも簡単に美しく育てられる完全ガイドです。