バラの挿し木
別名・表記:バラの挿木、rose cutting
バラの枝を挿し穂にして発根させ、親株の性質を受け継ぐ株を増やす栄養繁殖法です。
定義
バラの挿し木とは、親株から切り取った枝を挿し穂に整え、清潔な用土へ挿して発根させる栄養繁殖法です。種をまく方法と異なり、親株の花色や咲き方などの性質を基本的に受け継ぎます。家庭では、生育期の若い枝を使う緑枝挿しが取り組みやすい方法です。
基本要素
- 挿し穂:花や蕾がなく、病害虫の見られない当年枝から作ります。
- 葉量の調整:下葉を除き、大きな葉を減らして、根のない枝から失われる水分を抑えます。
- 挿し床:肥料分が少なく、排水と保水のバランスがよい新しい用土を使います。
- 置き場所:発根までは強い直射日光を避け、明るい日陰で乾燥させないよう管理します。
- 鉢上げ:白い根や軽い抵抗を確認してから、通常の培養土へ移します。
時期と方法
初心者が扱いやすいのは、春から初夏に伸びた枝を使う緑枝挿しです。梅雨期は空気が乾きにくい一方、用土を水浸しにすると切り口が腐りやすくなります。秋から冬の充実した枝を使う方法もありますが、発根とその後の生育に時間がかかるため、季節と枝の硬さを分けて考えます。
挿し穂は清潔で切れ味のよい刃物で切り、下葉と蕾を除きます。あらかじめ湿らせた用土へ穴を開けてから挿すと、切り口の損傷や発根促進剤の脱落を防げます。挿した後は枝を引き抜いて確認せず、鉢底の白根、新しい葉の安定した伸び、軽く触れたときの抵抗を発根の目安にします。
失敗しやすい点
- 葉を残しすぎる:蒸散量が増え、発根前にしおれやすくなります。
- 肥料入り用土を使う:未発根の切り口が傷み、腐敗につながることがあります。
- 直射日光へ置く:葉と用土が急に乾き、挿し穂の水分収支が崩れます。
- 水をため続ける:乾燥防止と水浸しは別です。鉢底から排水できる状態を保ちます。
- 何度も抜いて確認する:形成中の細い根を切るため、外から確認できるサインを待ちます。