放出制御肥料
別名・表記:被覆肥料、コーティング肥料、コントロールドリリース肥料、controlled-release fertilizer、CRF
樹脂などの被覆や製剤設計により養分の放出速度と期間を制御した肥料で、温度に応じて数か月にわたり安定して効きます。
放出制御肥料とは、樹脂や硫黄などの膜で肥料粒を被覆したり製剤を工夫したりして、養分の放出速度・形・期間を設計どおりに制御した肥料です。英語では controlled-release fertilizer(CRF)と呼び、日本では「被覆肥料」「コーティング肥料」として流通します。代表的な製品にマグァンプK(りん酸主体で最長2年)、オスモコート、エコロングなどがあります。広い意味では緩効性肥料の一種ですが、微生物分解に頼る有機質肥料やIB化成などと違い、放出が主に土の温度で決まり、水分や微生物の影響を受けにくいのが特徴です。
主な種類・特徴
| 種類 | 放出の仕組み | 目安の期間 |
|---|---|---|
| 樹脂被覆(ポリオレフィンなど) | 膜を通って水が入り、溶けた養分が膜からにじみ出る | 40日〜1年以上、製品で選べる |
| 硫黄被覆尿素 | 硫黄膜が割れたり微生物に分解されて放出 | 1〜3か月 |
| 化学合成緩効性(IB、CDU、ウレアホルム) | 水や微生物で徐々に分解 | 1〜3か月 |
| りん酸系粒状(マグァンプなど) | 難溶性で根酸により少しずつ溶ける | 1〜2年 |
使い方・手順
- 元肥に混ぜる:植え付け・植え替え時に用土へ混ぜ込むのが基本です。根に直接触れても障害が出にくい製品が多いですが、量はラベルどおりにします。
- 置き肥として使う:鉢の縁に置く場合は、水やりで流れない位置に置き、期間が過ぎたら新しいものと交換します。
- 地温を意識する:放出は温度が高いほど速く進みます。真夏は表示期間より早く切れ、冬は残ることがあります。
- 液肥と併用する:開花期など需要の山では速効性肥料で補い、ベースを放出制御肥料に任せる設計が扱いやすい方法です。
よくある誤解
「粒が残っているからまだ効いている」とは限りません。被覆肥料は養分が抜けた後も殻が残ります。また被覆の膜は微細なプラスチックとして土に残るため、近年は生分解性膜の製品も出ています。緩効性肥料と表示上は似ていても、放出方式が違えば効き方も違うので、製品の方式と期間を確認して使い分けます。