スクロース
別名・表記:ショ糖、蔗糖、砂糖、sucrose
ブドウ糖と果糖が結合した二糖で砂糖の主成分。植物が養分を運ぶ形であり、切り花の延命剤ではエネルギー源になります。
スクロースとは、ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)が結合した二糖類で、砂糖の主成分にあたる糖です。日本語ではショ糖(蔗糖)とも呼ばれ、サトウキビやテンサイから精製されます。植物にとっては、葉で光合成によってつくられた糖を師管を通して根や花、果実へ運ぶときの主要な形で、体内の「輸送用のエネルギー通貨」といえます。花の蜜の主成分でもあり、園芸では切り花の品質保持剤の成分として重要です。
切り花での役割
- エネルギー補給:切り離された花は根と葉からの供給を失うため、水に溶かした糖が呼吸と開花のエネルギー源になります。
- 開花の促進:つぼみの状態で流通するバラ、カーネーション、グラジオラス、トルコギキョウなどでは、糖を含む液で開花が進み、花色も濃くなります。
- 花持ちの延長:老化を遅らせ、花弁の張りを保つ効果があります。
- 濃度:家庭で使う保持液では概ね0.5〜2%程度が一般的で、生産・流通段階でつぼみを開かせる処理ではもっと高い濃度が使われます。植物によって適した濃度が違い、濃すぎると葉が傷みます。
砂糖だけでは延命剤にならない理由
糖は花だけでなく水中の細菌や酵母の栄養にもなるため、砂糖水だけを花瓶に入れると水が濁り、茎の切り口がぬめって導管が詰まり、かえって花持ちが悪くなります。市販の切り花延命剤は、糖に加えて抗菌成分と、水を弱酸性にして吸水を助けるクエン酸などの有機酸を組み合わせて設計されています。家庭で砂糖を代用する場合は、清潔な花瓶、こまめな水替え、切り戻しを前提にし、少量の漂白剤を加える方法が知られていますが、市販品と同等とは考えないほうが確実です。
関連する用語
砂糖として売られる上白糖・グラニュー糖はほぼスクロースで、はちみつや果糖はブドウ糖・果糖の割合が違います。延命剤のラベルには糖の種類や濃度が書かれていないことも多いため、最終的にはメーカーの希釈指示を優先します。