土壌微生物
別名・表記:土中微生物、土の微生物、土壌微生物相、soil microorganism、soil microbe
土の中にすむ細菌・菌類・放線菌などの微生物群で、有機物や肥料成分を分解して植物が吸収できる形に変え、土の団粒化にも関わります。
土壌微生物とは、土の中で生活する細菌、放線菌、糸状菌(カビ)、酵母、藻類、原生動物などの微生物群です。土1gあたり数億以上の微生物がいるとされ、落ち葉や堆肥などの有機物を分解して植物が吸収できる無機養分に変えるほか、粘着物質で土の粒をつなぎ団粒構造をつくり、通気性と保水性を高めます。有機質肥料や微生物分解型の緩効性肥料は、この分解活動があって初めて肥効を発揮します。
主な種類と働き
| グループ | 主な働き |
|---|---|
| 細菌 | 有機物の分解、アンモニアから硝酸への硝化(硝化菌)、空気中の窒素を固定(根粒菌など) |
| 放線菌 | 分解しにくい繊維質やキチンの分解。土の匂いの元。病原菌を抑える種も |
| 糸状菌(カビ) | 落ち葉や木質の分解。菌根菌は根と共生してリン酸や水の吸収を助ける |
| 原生動物・線虫 | 細菌を食べて養分を放出。一部は植物に有害 |
| 病原菌 | フザリウム、リゾクトニアなど、根腐れや立枯れを起こす種 |
活動を左右する条件
- 温度:多くの微生物は20〜30℃で活発になり、10℃以下では緩みます。地温が低い冬は有機質肥料の効きが遅れます。
- 水分:乾燥しすぎると活動が落ち、過湿では酸素不足になって嫌気性菌が増え、腐敗臭や根腐れの原因になります。
- 有機物:堆肥や腐葉土が餌になります。未熟な有機物は分解時に窒素を奪ったり(窒素飢餓)ガスを出したりします。
- pH:多くの細菌は中性付近を好み、酸性では糸状菌が優勢になります。土壌pHの調整は微生物相の調整でもあります。
園芸での活かし方・よくある誤解
完熟堆肥や腐葉土を混ぜて餌とすみかを増やすこと、くん炭のような多孔質資材で定着場所を作ること、土を過湿にしないことが基本です。「微生物資材を入れれば良い土になる」とは限らず、環境が合わなければ定着しません。また新品の培養土は微生物が少なく、有機質肥料の効きが遅いことがあります。緩効性肥料の「表示期間」も、微生物の働きを利用する製品では地温と水分によって前後するため、次回施肥は数字だけで決めずに株の様子を見て判断します。