ドライフラワーの作り方|庭の花を美しく残す3つの方法
庭で摘んだ花をドライフラワーにする方法を、ハンギング・ドライインウォーター・シリカゲルの3つに分け、花材選びから乾燥完了、カビと退色の防ぎ方まで解説します。
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ドライフラワーの作り方は、茎を残して吊るすハンギング法、少量の水でゆっくり乾かすドライインウォーター法、ドライフラワー用シリカゲルで花の色と立体感を残す方法の3つが基本です。庭の花は朝露や雨が乾き、満開になる少し前に切り、花の水分量と完成後の使い方に合わせて方法を選びます。
概要
ドライフラワー作りでは、「何日吊るすか」よりも、花材が持つ水分量、残したい形、飾り方の3点を先に決めることが大切です。水分が少なく紙のような苞を持つ花は自然乾燥しやすく、花弁が重なる立体的な花は乾燥剤を使うと形を支えやすくなります。
家庭向けの解説では空気乾燥を約1〜2週間とする例がある一方、大学の園芸資料では2〜3週間を目安にしています。この差は矛盾ではありません。花の厚さ、室温、湿度、空気の流れが違うため、1〜3週間という幅を見込み、最後は触感で判断します。
庭から花を切るところから始めれば、咲き進み具合と表面の乾き具合を自分で選べます。花を暮らしに取り入れる全体像は、親記事の花のある暮らし完全ガイドも参考にしてください。
庭の花を選んで準備する
ドライフラワーの仕上がりは、乾燥を始める前の切り花と花材のコンディショニングでほぼ決まります。初回は、水分が少なく形を保ちやすいセンニチコウやラベンダーから始めると、乾燥方法の違いを見分けやすくなります。
花を切るのは、晴れた日の朝露が乾いた後が適しています。雨の直後や露が残る時間は、花弁の表面だけでなく花の中心にも水分を抱えています。Illinois Extensionは「形の悪い花は、悪い形のまま乾きます」と端的に説明しています(原文英語)。虫食い、病斑、茶色い傷みがある花は、乾燥させても元には戻りません。
開花段階は、完全な満開より少し手前を選びます。花は切った後も乾燥中に少し開くためです。花百花の「満開で咲ききってからだと遅すぎます。」という注意は、特に花弁が落ちやすい花に当てはまります。花芽・つぼみが固すぎるものでは開かず、咲き切ったものでは花弁が外れやすいため、同じ株から開き方の違う花を少数ずつ試すと庭に合う時期が分かります。
切るときは清潔な道具で剪定し、傷んだ花弁と茎の下部の葉を外します。葉を全部残すと重なった部分へ空気が通りにくくなります。ただし、完成後の線を見せたい葉まで無理に外す必要はありません。小束ごとに乾燥開始日と花名を書いた紙を付けると、翌年の再現が簡単です。
センニチコウを庭から育てて収穫するところから知りたい場合は、センニチコウの育て方へ進んでください。
3つの方法を選ぶ基準
ドライフラワーの3方法は、シリカゲルならバラの色と立体感、ハンギング法なら長い茎、ドライインウォーター法ならアジサイの丸い花房を残しやすいという違いがあります。ドライインウォーターでは、少量の水を入れた花瓶が乾燥器具の役目を果たします。
| 方法 | 向く花・状態 | 目安期間 | 残しやすい特徴 | 主な弱点 |
|---|---|---|---|---|
| ハンギング法 | センニチコウ、ラベンダー、スターチスなど | 約1〜3週間 | 長い茎、自然な風合い | 色あせ、縮み、湿気の影響 |
| ドライインウォーター法 | アジサイ、カスミソウなど茎が比較的しっかりした花 | 約1〜2週間 | 丸み、花房の広がり | 水分が多い花は首が垂れやすい |
| シリカゲル法 | バラなど立体的で花弁が重なる花 | 約3〜7日 | 色、立体的な花形 | 茎を短く切る、完成後にもろい |
Iowa State Universityは「シリカゲルは花を乾燥させる材料として、おそらく最も優れています」と説明しています(原文英語)。同資料では乾燥の目安を3〜7日とし、速く乾くため色が保たれやすい点を挙げています。ただし、すべての花をシリカゲルに入れればよいわけではありません。長い茎を使うスワッグでは、花首を短く切るシリカゲル法より、ハンギング法の方が完成形に合います。
flowchart TD
A["完成後に何を残したいか"] --> B{"長い茎が必要か"}
B -->|はい| C["ハンギング法"]
B -->|いいえ| D{"丸い花房を保ちたいか"}
D -->|はい| E["ドライインウォーター法"]
D -->|いいえ| F["色と立体感を優先"]
F --> G["シリカゲル法"]
茎・丸み・色のどれを優先するかで、庭の花に合う乾燥方法を選べます。
平らな花弁や葉を平面作品にしたい場合は、乾燥花より押し花の作り方が適しています。厚みを残すか、平面にして輪郭を残すかで、最初に方法を分けてください。
必要なもの
必要なものは、選んだ方法に合わせて最小限にそろえます。食品に入っていた使用済み乾燥剤では吸湿力を判断しにくいため、シリカゲル法ではドライフラワー用として販売されている細粒タイプ (Rakuten / Amazon / Yahoo!)を用意します。
- 共通:傷みのない花、清潔なはさみ、作業日を書けるラベル
- ハンギング法:輪ゴムまたは麻ひも、吊るすフック
- ドライインウォーター法:安定した花瓶 (Rakuten / Amazon / Yahoo!)、水
- シリカゲル法:密閉容器 (Amazon / Yahoo!)、園芸・クラフト用シリカゲル、スプーン、柔らかい筆 (Rakuten / Amazon / Yahoo!)
- あると便利:新聞紙またはトレー、ピンセット (Rakuten / Amazon / Yahoo!)、完成品を入れる箱
輪ゴム (Rakuten / Amazon / Yahoo!)は、乾燥して茎が細くなったときにも締まりやすい利点があります。ひもだけで結ぶ場合は、落下しないよう乾燥途中に緩みを確認します。
手順
ドライフラワー作りは、花材を選び、余分な水分と葉を除き、選んだ方法へセットし、触感を確認してから飾る流れです。3方法を同時に試す場合も、準備工程は共通です。
ステップ1: 露が乾いた花を満開前に切る
露が乾いた晴天時に、傷みのない花を選びます。ハンギング法では茎を10cm以上残すと、結びやすく、完成後も花瓶や壁飾りへ使えます。咲き切った花、雨にぬれた花、すでにしおれた花は避けてください。
よくある失敗 → 修正: 花が最も大きく開くまで待つと、乾燥中に花弁が落ちます。満開の少し前を選び、同じ種類を2〜3本だけ先に試してください。
ステップ2: 葉と傷んだ部分を取り除く
葉の重なりを減らし、傷んだ花弁、土、虫を取り除きます。水で洗うと新たな水分を加えるため、表面の軽い汚れは柔らかい布や筆で落とします。茎の長さをそろえすぎず、完成後に使う長さを残します。
よくある失敗 → 修正: 生花の花束の形を保とうとして葉も包装も付けたまま吊るすと、束の中心が乾きません。一度ばらし、花同士が触れない程度まで間隔を開けます。
ステップ3: 花に合う方法へセットする
ハンギング法は1〜2本ずつ束ね、花を下向きにして、暗く乾いた風通しのよい場所へ吊るします。大きなアジサイは束にせず、1本ずつにします。花束に戻すのは、完全に乾燥してからです。
ドライインウォーター法は、花瓶へ1〜5cmの水を入れ、花が密集しないように挿します。水は足さず、水替えもせず、風通しと日陰を確保します。茎が柔らかく花首が下がる場合は、その花にこの方法が合っていないサインです。
シリカゲル法は、花首から約2cm下で茎を切ります。密閉容器の底へ約1cmのシリカゲルを敷き、花同士を重ねずに置きます。スプーンで花弁の間と周囲へ少量ずつ入れ、形を支えながら全体を覆って密閉します。
よくある失敗 → 修正: 乾燥を早めようと花を太い束にしたり、シリカゲルを一度に落としたりすると、中心が湿ったまま残るか、花弁がつぶれます。小束と少量ずつの作業を守ってください。
ステップ4: 日付を付けて乾燥状態を確認する
開始日を書き、ハンギングとドライインウォーターは約1週間後、シリカゲルは3日後から状態を確認します。シリカゲル容器を毎日開けると空気中の湿気が入るため、必要以上に開けません。上部に試し花を置く方法なら、全体を崩さず確認できます。
空気乾燥は約1〜3週間、シリカゲルは約3〜7日が目安です。花が厚いほど時間が延びます。花弁が乾いていても、花の中心や茎に冷たさと柔らかさが残るなら、まだ完成ではありません。
よくある失敗 → 修正: 日数だけで取り出すと乾燥不足または乾かしすぎになります。最も厚い部分を触り、「乾いているが、触れただけで砕けない」段階を終了点にします。
ステップ5: 乾燥剤を落とし、作品用に仕分ける
完成した花は、トレーの上で静かに扱います。シリカゲルは容器を傾けて流し、花弁の間に残った粒だけを柔らかい筆で落とします。引っ張って取り出すと花弁が外れるため、花の下を支えて持ち上げます。
長い茎は壁飾りや花瓶用、短い花首は小瓶、額、リースのパーツ用に分けます。欠けた小花も捨てず、小さなアレンジの隙間へ使えます。
よくある失敗 → 修正: 完成直後に太い花束へ戻すと、まだ乾いていない花が混ざった場合に湿気が移ります。半日ほど乾いた場所で個別に確認し、問題がない花だけをまとめます。
失敗を防ぐ乾燥・保管のコツ
ドライフラワーは直射日光と高温多湿を避けて飾り、色や質感が自然に変わる素材として扱います。薬液で水分を置き換えるプリザーブドフラワーとは異なり、乾燥花は空気中の湿気を再び吸うため、水回りや結露する窓辺には向きません。
カビ:束を細くし、濡れた花を使わない
カビの主因は、乾燥より先に湿った状態が長く続くことです。太い束、雨後の収穫、葉の重なり、空気の止まった収納内を避けます。扇風機やエアコンの強風を直接当てると乾いた花弁が欠けるため、部屋全体の空気がゆるく動く場所を選びます。
退色:暗所で乾かし、完成後も日差しを避ける
LOVEGREENは「『直射日光』と『高温多湿』を避けることが鉄則です。」としています。窓際は明るく見栄えがしますが、乾燥中にも完成後にも色あせが進みやすい場所です。乾燥場所と展示場所を分け、完成後は日差しが長時間当たらない壁や棚を選びます。
花弁崩れ:完全に脆くなる前に取り出す
University of Florida IFAS Extensionは「シリカゲルは利用できる乾燥剤の中で最も速く作用し、乾燥させた植物素材は色をよく保ちます」と説明しています(原文英語)。一方、速い乾燥は放置してよいという意味ではありません。最も厚い部分が乾いた時点で取り出し、粒を払うときは筆を使います。
乾燥不足:花弁だけでなく茎と中心を見る
外側の花弁は先に乾きます。中心が冷たい、茎を軽く曲げるとしなる、シリカゲルから出した後に表面が柔らかく戻る場合は、水分が残っています。ハンギングへ切り替えて追加乾燥させ、完全に乾くまで密閉展示しないでください。
ただし、色と形を生花のまま永久に固定できるわけではありません。時間とともに褪色し、花弁はもろくなります。「変化しない保存品」を求める場合には、ドライフラワーという方法そのものが合わないこともあります。
乾燥完了の見分け方と飾り方
フラワーアレンジメントへ使う前に、乾燥させた花を1本ずつ確認し、花束へ戻しても湿気が移らない状態かを見極めます。花弁だけでなく、花の中心、がく、茎の太い部分まで乾いていることが条件です。
次の3点がそろえば完成です。
- 花弁または苞に水分感がなく、触ると乾いた音と質感があります。
- 茎の太い部分に冷たさや柔らかさが残っていません。
- 半日ほど乾いた場所へ置いても、表面がしっとり戻りません。
空気乾燥の期間に1〜3週間の幅があるのは、この最終状態へ到達する速さが花と環境で変わるためです。固定した日に一斉に外すのではなく、乾いた花から順に外します。
長い茎は1〜3本を花瓶へ挿すだけでも線が際立ちます。複数の花を束ねる場合は、乾燥した花をフローラルデザインの素材として、硬い茎を骨格にし、細い花を間へ重ねます。完成品を贈るなら、花の意味を花言葉と誕生花の一覧で確認すると、見た目だけでなく選んだ理由も伝えられます。
保管箱へ入れる場合は、花を押し込まず、ふたが花に触れない高さを確保します。展示中に完全に茶色くなった、カビが見える、触れなくても花弁が落ち続ける場合は交換のサインです。
よくある質問
ドライフラワーは何日でできますか?
乾燥日数は、ハンギング法で約1〜3週間、ドライインウォーター法で約1〜2週間、シリカゲル法で約3〜7日が目安です。花の厚さと湿度で変わるため、日数だけでなく中心と茎の触感を確認してください。
雨の日に切った花でも作れますか?
雨の日の花は内部まで水分が多く、空気乾燥ではカビと変色のリスクが上がります。急がないなら晴れて表面が乾くまで待ちます。贈り物など待てない場合は、傷みのない花を小分けにし、密閉したシリカゲル法で少数を試してください。
完成したドライフラワーはどのくらい飾れますか?
一律の期限ではなく、色、湿気、カビ、崩れ方で交換を判断します。直射日光、高温多湿、水回りを避けるほど状態を保ちやすくなりますが、自然素材なので少しずつ色と質感が変わります。
3方法の決め方
方法に迷ったら、完成後の用途から逆算します。
- 長い茎で壁飾りや花瓶に使う:1〜2本ずつに分け、ハンギング法を選びます。
- アジサイなどの丸い花房を残す:花瓶へ1〜5cmの水を入れ、ドライインウォーター法を選びます。
- バラの色と立体感を優先する:花首を短く切り、密閉したシリカゲル法を選びます。
庭の環境や花の個体差は残ります。初回から全量を一つの方法へ賭けず、同じ花を2〜3本ずつ分けて試すのが、最も損失の少ない進め方です。
出典
- LOVEGREEN:ドライフラワーの楽しみ方 — 2026-06-24 — 保管場所、退色とカビの注意点を確認
- 花百花:失敗しないドライフラワーの作り方 — 2023-05-18 — 花材の選び方と3方法の家庭向け工程を確認
- コーナンTips:ドライフラワーの簡単な作り方 — 2023-11-20 — 水量、茎の長さ、シリカゲル量と乾燥期間を確認
- Illinois Extension:Make flowers and memories last forever — 2023-08-07 — 収穫時期、空気乾燥の環境と花材適性を確認
[en] - Iowa State University Extension:Drying Flowers — 1998-07-10 — 空気乾燥とシリカゲル乾燥の期間・容器条件を確認
[en] - University of Florida IFAS Extension:Drying and Preserving Plant Materials — 2024-03-04 — 乾燥剤、密閉、乾燥完了と色保持の条件を確認
[en]
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