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アジサイの挿し木での増やし方|時期と発根させる手順

アジサイの挿し木での増やし方を、5〜7月の適期、枝と用土の選び方、6つの手順、発根までの水やり、鉢上げまで解説します。

執筆:花の日記 編集部 公開 更新
アジサイの若い枝を清潔な用土へ挿し木する作業

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アジサイ 挿し木 増やし方の基本は、5〜7月に花のない若い枝を採り、緑枝挿しとして葉を減らし、1時間ほど吸水させてから清潔な無肥料用土へ挿すことです。発根までは直射日光を避け、乾燥させない一方で水浸しにもせず、2〜4週間を目安に新芽と軽い抵抗を確認します。発根促進剤より、枝の鮮度と水分管理を優先してください。

アジサイの挿し木に適した時期は5〜7月

アジサイの緑枝挿しに適した時期は5〜7月で、特に花後と雨が重なる6月上旬〜7月下旬は枝の乾燥を防ぎやすい期間です。一般的なホンアジサイだけでなく、アナベル系アジサイも挿し木の適期は5〜7月です。花後の枝を使うなら、剪定で翌年の花芽を失わない切り位置をアジサイの剪定時期と切り方で先に確認してください。

挿し木は、親株の枝を発根させ、同じ性質を受け継ぐ株をつくる栄養繁殖です。Royal Horticultural Societyは、その中でも柔らかい当年枝を使う緑枝挿しの一般手順を公開しています。から育てる方法とは異なり、気に入った花色や咲き方を保ちやすい一方、親株が病害虫で弱っているなら枝も材料に向きません。年間の置き場所、水やり、剪定とのつながりはアジサイの育て方完全ガイドも参照できます。

適期でも、真夏の直射を避ける場所がない場合や、作業後に数日留守にする場合は延期してください。「雨だから挿せばよい」という日付だけの判断より、発根まで湿り具合を観察できるかが重要です。

挿し木に必要な道具と用土

アジサイの挿し木に使う緑枝挿しには、清潔な刃物、吸水用の容器、鉢底穴のある植木鉢、割り箸、そして肥料分のない新しい用土を用意します。発根前の枝は養分を吸える根がなく、栄養豊富な土ほど安全になるわけではありません。

用土は鹿沼土 (Rakuten / Amazon / Yahoo!)、パーライト、バーミキュライトなどを単体で使えます。市販の「さし芽・種まき用土」でも構いません。排水と通気を保つ土壌排水が、切り口の腐敗を防ぐ土台になります。発根後に使う通常の培養土とは役割が異なるため、袋を開けて長期間屋外に置いた古い土や、使い回した土は避けてください。

発根促進剤は任意です。Illinois Extensionの手順も「発根促進剤は完全に任意」と案内しています。使わなくても、花のない若い枝、節の位置、葉量、清潔な挿し床(挿し穂を発根させる用土と容器)、湿度を整えれば作業できます。

  • 清潔でよく切れる刃物
  • 水を入れたコップや空き瓶
  • 底穴のある小鉢または育苗容器
  • 新しい無肥料用土
  • 穴開け用の移植ごてまたは割り箸
  • ラベルと日付を書ける筆記具

手順

緑枝挿しは、枝を採る、挿し穂を整える、水あげする、用土へ挿す、発根を待つ、鉢上げする、の6段階です。蒸散を抑える葉の調整と、発根後にを傷めず移す工程を一続きで考えます。挿し穂とは、親株から切り取り、発根用に葉と切り口を整えた枝です。切り口の水切りに近い吸水処理も、乾燥を防ぐ準備に含まれます。

ステップ1: 朝に花のない当年枝を選ぶ

朝に採る挿し穂は、株が十分な水分を保っている時間を選び、その年に伸びた緑色で充実した枝を使います。花や蕾のついた枝、細く弱い枝、病斑や害虫のある枝は避けてください。Royal Horticultural Society(RHS)も「枝は水分で満ちている早朝に採る」と案内しています(原文英語)。

失敗しやすいのは、花の豪華な枝ほど良い材料だと考えることです。花は水分を使うため、花のない枝へ替えてください。切ってすぐ整えられない場合は、乾燥を防いで短時間で次の工程へ進みます。

ステップ2: 挿し穂を節の下で切る

挿し穂は5〜10cmを目安にし、葉や芽が出る位置である「節」のすぐ下を清潔な刃物で切ります。多くの根は節の周辺から生じやすいため、長い枝をそのまま挿すより、節を挿し床へ入れられる長さに整える方が合理的です。

切り口を斜めにすると吸水面を確保できます。ただし、何度も切り直して枝を傷めないでください。上下を間違えないよう、芽が上を向く状態を保ちます。

ステップ3: 下葉を除き、上葉を半分に切る

下葉を除く理由は、蒸散を抑えるためです。蒸散とは、主に葉から水分が水蒸気として失われる現象です。根のない挿し穂では吸水が追いつかないため、一番上の葉だけを残して下葉を除き、大きな上葉は半分に切ります。

葉をすべて取るのではなく、光合成に使える葉を最小限残すのが要点です。反対に、大きな葉をそのまま残すと水分損失が増えます。国内3資料を照合しても、「下葉を取る」「上葉を半分にする」という工程は共通しています。

ステップ4: 切り口を1時間ほど水あげする

水切りの考え方を応用した水あげは、挿し穂の切り口を水へ浸して作業前に吸水させる作業です。整えた枝をすぐ水へ入れ、1時間ほど置きます。先に鉢へ用土を入れて十分に湿らせておくと、水あげ後の枝を待たせずに済みます。

短時間で済ませようとしてこの工程を飛ばすと、葉を減らしていても挿した直後にしおれやすくなります。発根促進剤を使う場合は、吸水後に製品表示へ従って切り口へ付けます。

ステップ5: 穴を開けた用土へ挿して水を与える

用土へ挿す前に割り箸で用土へ穴を開け、切り口をこすらないようにします。第一の葉が用土のすぐ上に来る深さを目安にし、周囲の土を軽く寄せて密着させます。複数本を挿す場合は、葉同士が重ならない間隔を取ってください。

挿した後は鉢全体へ水を与え、余分な水を底穴から排出します。ここでの成功状態は「用土全体が湿っているが、水がたまっていない」ことです。穴を開けずに枝を押し込むと切り口が傷むため、必ず先に穴を作ります。

ステップ6: 2〜4週間待ち、発根後に鉢上げする

発根したら、鉢上げで苗を個別の鉢へ植え替えます。緑枝挿し一般では2〜4週間、国内のアジサイ資料では約1か月が目安です。新芽が動き、苗になる枝を軽く引いたときに抵抗があれば発根のサインですが、確認のために抜かないでください。

根が確認できたら、通常の培養土 (Rakuten / Amazon / Yahoo!)へ土ごと静かに移します。鉢上げ後1週間ほどは半日陰で毎日状態を確認し、その後は少しずつ日向へ移してください。急に強い光へ出すのではなく、約2週間かけて低湿度の環境へ慣らす「順化」を行うと、柔らかい葉が傷みにくくなります。

段階成功のサインよくある失敗修正
枝選び花のない当年枝花つき・弱い枝別の若い枝へ交換
葉の整理上葉のみ半分残す葉を多く残す蒸散面積を減らす
水あげ1時間吸水切って放置する切ったらすぐ水へ入れる
挿し込み用土が湿り排水する枝を直接押し込む割り箸で先に穴を作る
発根管理2〜4週間で新芽・抵抗毎日水浸し表土と鉢の重さで判断
鉢上げ新根を崩さず移せる早く抜いて確認する約1か月待って土ごと移す

発根までの置き場所と水やり

発根までの水やりと置き場所は一組で考えます。明るい日陰は、強い日光を避けながら葉が光を受けられる場所です。挿し木を暗所へ閉じ込める必要はありませんが、透明な袋で覆った鉢を日なたへ置くと内部が高温になるため避けてください。Illinois Extensionは「新しい挿し穂を決して日なたへ置かない」と強く警告しています(原文英語)。

水やりは回数を固定せず、直後約3日間とその後を分けます。最初の3日間ほどは乾燥を防ぐため毎日状態を確認し、その後は表土が乾き始めたら与えます。LOVEGREENの解説も、3日間は毎日、その後は土の乾きを見て水を与えるよう案内しています。

「乾かさない」は「常に水浸しにする」という意味ではありません。LOVEGREENとIllinois Extensionはともに、過湿が挿し穂の腐敗につながると説明しています。編集部で複数資料を照合すると、初心者が覚えるべきなのは水やりの時刻より、湿っていても排水する用土の状態です。

ビニール袋をふんわりかけて湿度を保つ場合は、葉へ袋を触れさせず、少なくとも週2回、各10分を目安に換気します。枯れた枝や腐った葉があれば週1回以上確認して取り除きます。覆いがなくても湿度を保てる梅雨期なら、蒸れを増やす被覆を無理に使う必要はありません。

よくある失敗と直し方

根腐れは、用土の過湿や通気不足で根や切り口が傷む状態です。発根前はまだ根が少ないため、鉢皿へ水をためる、排水穴のない容器を使う、毎日無条件に大量の水を与える管理は避けてください。

  • 数日で葉がしおれる:葉量が多い、吸水不足、直射日光が原因になり得ます。上葉を半分にし、明るい日陰へ移します。
  • 茎の根元が黒く柔らかい:過湿や汚れた用土が疑われます。傷んだ枝を除き、新しい無肥料用土と清潔な容器へ替えます。
  • 3〜4週間たっても抵抗がない:気温、枝の成熟度、湿度で発根速度は変わります。枝が緑で腐っていなければ、抜かずに管理を続けます。
  • 新芽が出たので強く引いた:出始めの根を傷めるおそれがあります。軽い抵抗だけを確認し、土を崩しません。
  • 早く育てようと肥料を与えた:発根前の肥料は不要です。LOVEGREENは「肥料は絶対に与えません」と明記しています。肥料入り培養土へ替えるのは鉢上げ後です。

挿し木が発根しても、すぐ庭木になるわけではありません。鉢植えなら順調に育てて翌年に花を楽しめる場合がありますが、庭へ植え込める株へ育つまで3年以上かかる例もあります。鉢上げ後の花色を調整したい場合は、根が安定してからアジサイの花色と土壌pHの関係を確認してください。翌年咲かないときは、挿し木だけでなく、親株の剪定時期や花芽の状態も切り分けます。

挿し木を始めるか迷ったときの判断基準

挿し木を始めるかは、時期、枝、管理場所、数週間の観察可否で決めます。土挿しはそのまま鉢上げしやすく、水栽培として行う水挿しは根を目で確認しやすい一方、水中の根を土へ移した後の管理が一段増えます。

flowchart TD
    A["時期は5〜7月か"] -->|はい| B["花のない当年枝があるか"]
    A -->|いいえ| H["適期まで延期"]
    B -->|はい| C["明るい日陰で管理できるか"]
    B -->|いいえ| H
    C -->|はい| D["2〜4週間観察できるか"]
    C -->|いいえ| H
    D -->|はい| E{"根を見ながら育てたいか"}
    D -->|いいえ| H
    E -->|いいえ| F["清潔な用土へ土挿し"]
    E -->|はい| G["毎日水を替えて水挿し<br/>根2〜3cmで土へ移す"]

アジサイの挿し木を土挿し・水挿し・延期から選ぶ判断フローです。

水挿しを選ぶなら水は毎日替えて清潔に保ち、根が2〜3cm伸びたら土へ移します。ただし、水中で出た根は土へなじむまで時間がかかるため、植え替え後は乾燥させないでください。土への移行を一度で済ませたい初心者には、清潔な用土への土挿しが基本です。

最後に、各工程で迷ったときの修正ルールを一つずつ残します。時期外なら延期し、花つき枝なら花のない当年枝へ替え、葉が多ければ上葉だけを半分にします。肥料入り土なら無肥料用土へ替え、直後3日は乾燥を防ぎ、その後は表土を見ます。新芽が動いても抜かず、軽い抵抗を確認してから鉢上げしてください。この順番なら、発根促進剤がなくても失敗要因を一つずつ減らせます。

出典

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花の日記 編集部

園芸学・植物学の資料、種苗メーカーや公的機関の栽培情報、農薬登録情報を突き合わせ、出典をたどれる形に再編集する花とガーデニングの編集チームです。編集方針を見る